PCFX

1999/04/25

予定通りFXについて、

『チップちゃんキィーック』は凄いというか凄まじいぞ。オープニングアニメ以外は、ゲーム内のアニメ(紙芝居?)も含めてPCエンジンでもつくれたであろう。しかも、絵の駄目さ加減がぶっちぎりなのである。『美術』と呼ばれる背景の部分が、どうみても子供の落書きをスキャナで取り込んだ程度のもので、見ちゃいられないのである。

 

銀河お嬢様伝説ユナFX』は無駄に作り込んである。オープニングアニメが他のソフトのようにセル取り込みだけかと思ったら、手直しまでしてあった。水たまりの枠線を見ればわかるのだが、ドット打ちになっているのである。無駄にすごい。ゲーム途中で、画面表示サイズ以上の大きさのオブジェクトが美しく回転しているのも凄いと思った。この辺は、当時はPC-FXにしかなかった性能なのだろう。

 

あの有名な木屋さんがプロデュースした『ラストインペリアルプリンス』もクラッシュな出来映えである。要約すると、『ソーサリアン』や『風の伝説ザナドゥ』などの辛い部分を集めたようなゲーム。だだっ広いマップ(しかもサイドビューのみのソーサリアンタイプ)で、フラグが立つのはどこか一箇所だけ、ゲームの進行よりフラグが立つ場所を探す時間の方が長いというもの。広い城内にいるはずの猫を、砂漠の奥地まで探しに行かなければならないというイベントは今でも信じられない。

 

『虚空漂流ニルゲンツ』は世界観が良く、なかなかがんばっているのだが、戦闘シーンが全く不可解である。なぜFXで出すのか、手の込んだ2Dドッグファイトだが、どうせなら3Dでやりたいぞ。おそらく、戦闘は変形シーン(ムービー)のおまけでしかなかったのであろう。

 

結局、PC-FXを持っていることを友人に自慢できるようなPC-FXユーザーの心の拠り所となるソフトは一本も出なかった。