孤立する産業

大雑把にゲームの歴史を見てみると、大きな島国アメリカと小さな島国日本という2つの閉鎖的なマーケットに気がつく。

日本が海外では通用しない日本語しか読み書きできないことでガラパゴス化したのは有名だが、アメリカが孤立している事はあまり認識されていない。

アメリカの孤立にはいくつかの理由がある。ダイレクトインプットである半角英数を使うため、他国のゲームは英語にローカライズをする必要があるのだが、国内マーケットの規模が大きいためにまともな作品はローカライズされるのが当然だと思っていたこと。

ポンやアタリVCS等、ゲーム発祥の国という驕りもあってか、自国に存在するゲームが全てだという認識があった。

少ない表示ドット数で、多くの文字を必要とする英語は、デザイン的な制限があり、日本語→英語のローカライズが低解像度ゲーム機で行われることは稀だった。

しかし、多言語が普通で英語も使えるヨーロッパ諸国だとゲーム事情が変わってくる。

ゲームハードが国内産ではないことが大きいのだが、PALとNTSCの違いはあるものの、ハードごと用意してしまえば英語のUSA産ゲームはそのまま遊べるし、日本のゲーム機も輸入して販売されていた。

アメリカも日本も、国内でゲームの供給が行われていたため、わざわざ海外のゲームを輸入するという文化がなかった。